回顧録

基本的に思い出を吐き出しています

前の職場とGと僕

※Gの話なので苦手な子は気を付けてね

※画像はないですがたくさん出ます





・前の職場とGと僕

・仮住まいとGと僕


二本立てです。












前の職場はスーパーであった。
惣菜を作ったり、発注をしたり、売るものの計画を作ったり、いがみ合うパートバイトの皆様に挟まって胃を痛めるなどの仕事をしていた。


当時配属されていた店舗は住宅街のど真ん中にあった。
夏になるとものすごい量のGが出ると従業員のお姉様方は教えてくれた。店自体は確か建って数年とかでわりと新しかった筈だ。
近隣の住宅もむやみやたらにGが多いとのことだった。
あと異様にデカいハエもたくさんいた。デカくて遅いのでわりと捕まえやすく日に5匹は潰していたし、コバエもたくさんいたのでめんつゆトラップをいくつか仕掛けそれにも毎日大量のコバエが浮いたり沈んだりしていた。


今回はGのはなしです。


店に出るGの種類はチャバネさんというやつなのだったと思う。
(詳しくないので茶色いか黒いかの差しか分からない)
虫全般に対して苦手意識がないというか退治に対してはとても意欲的であったため春先にちらちら出始めたGも捕まえてはビニール袋に入れ漂白剤を掛けたりしていた、絶対に畜生道とかに堕ちる。


夏。

朝出勤してくると作業場は猛烈に暑く、毎朝床には数匹息絶えたGが落ちていた。

それを片付け、念入りに手を洗い、何事もなかったかのように仕事をはじめるのが日課になっていた。

基本的に日中は出てこないのだが(たまに出てくる)毎日18時を過ぎるとちょろちょろ現れ、見つけては退治していた。





ある日、
見つけたGを追いかけていくと作業場の隅、物置エリアの壁の隙間に奴が吸い込まれていった。

見つけてしまったのだ。

巣穴に至る入り口を。



店長に許可をもらい売り場から拝借した殺虫剤をその隙間にシューーーーーと丸々1本分ぶち込み、事務所で1時間ほど事務処理を行い、作業場へ戻ってきたら穴の下に息絶えたGが10匹くらい落ちていた。
楽しくなってしまったのでバイトの高校生を呼んで見せたら怒られた。
それを処理しその日は帰宅。



次の朝出勤すると数十匹のGの死骸。



絨毯みたいでした。





件の穴の近くは特にすごかった。

従業員の皆さんが出勤してくる前にほうきで掃いて死骸を片付けた。
(従業員のお姉様がたは虫をみるとむやみに騒いで仕事をしないので見つかる前に片付ける)


ほうきでGを落ち葉のように片付けた経験ある人そんなにいないと思う。
なんだか無性に楽しかった記憶があります。
※掃いたほうきはちゃんと消毒しました


その日の夕方、
粗方仕事を片付けた後もまた殺虫剤を店長からもらい、巣穴に向かってシューーーーーとしていたらバイトの高校生に


「夜もたくさん出てきて気が狂うかと思ったからやめろ」


のようなことを言われた。
だがそのときの自分は無抵抗にGがたくさん苦しみ死に逝く様を見るのが楽しくなっていたので

「じゃあ穴を塞ぎますね」

としこたま殺虫剤を流し込んだ穴をガムテープでふさいだ。




次の朝もぽろぽろ床にGが落ちていたが、前日ほどではなかった。
他にも入り口があるんだろうなと思った。

ガムテープでふさいだ穴はちょっと剥がれておりそこから出てきたものもいた。


夕方、
作業場から大体人がいなくなったタイミングでガムテープを剥がしてみたら中にみっしりとGが詰まっていた。

ちょっとテンションが上がった。



そしてその日の夜もまた殺虫剤を手にシューーーーーとやっていた。

(店の商品もらいすぎと思われるが、店側としては害虫駆除業者を入れてもあまり変わらないと諦めていたらしく殺虫剤の数本くらいでどうこうなるならいいよと店長が快く許してくれた)
(振替の伝票もちゃんと切りました)


前日まではシューーーーーとやってしばらくするとぽろぽろ落ちてきていたのに全然落ちてこなかったので、
もしかして滅んだのだろうか?と思っていたら



上からGが1匹落ちてきた。






さすがに降ってきたら驚く。


ヒッっと声を上げると別のGが目の前の壁に引っ付いていた。


ところでその時の自分は素手であったのだがびっくりして正面突きでGを潰してしまった。壁材のベニヤ板は割れた。もろい。

壁から距離を取り上を見上げると壁のベニヤ板の上の隙間、高さ2メートルほどのところから、


こう……、


トトロでメイちゃんが壁の隙間に指入れたらまっくろくろすけ


ブワッッ


……と出てくるシーンあるじゃないですか、
あんな感じで小さな穴から大量にGがムリュムリュムリュといった感じに溢れ出ていた。









とりあえずそこをジャンプしながらガムテープで塞ぎ(脚立を持ってくる余裕がなかった)、
下も塞ぎ、
何故か笑いが込み上げてきて、ヒヒヒと笑いながら手を念入りに洗い、
事務所でしれっと事務処理をして、
しばらくしてから作業場に戻った。





作業場には特になにも落ちていたりはしなかった。








次の日、自分は休みであった。







店は営業しているのでその日の社員は上司(当時20代半ばの色白でかわいく、ヒステリック気味で虫の苦手な女性であった)(理不尽な人であったので少々不得手であった)だけであった。


その翌日は上司が休みであり自分が出勤してくると久しぶりにGは落ちていなかった。
従業員のお姉様に聞いたら昨日上司は大量のGにパニックを起こしキレ散らかしていたとのことであった。





その2週間後、
自分は異動となり、その店でのGはその後どうなったかは知らない。












さて転勤があった。

前の店は実家から通っていたが新しい店は片道2時間ちかくあるため店の近くの賃貸に住むこととなった。

新しい店での業務にぐったりしながら帰宅するとGがいた。





引っ越し2日目のレオパレスの玄関でGが1匹、ちょこんとお出迎えしてくれた。



びっくりして玄関を閉めまた車に戻りマツキヨに行った。


ここで即座に殺さなかったのは「殺すと死臭を嗅ぎとって仲間が来る」というはなしを思い出していたためであった。


じゃあお前、職場のGは容赦なく殺していたじゃないかと言われれば、

「そこで寝るわけではないので」

というお返事しかできない。
そういう価値観です。




ともあれ、バルサンを手に再度帰宅し、設置してまた車に戻り、
片道1時間の立地にあるゲーセンに行き、無心に1時間ほどダンエボをしてまた1時間かけて帰宅した。

玄関を開けるとGはいなかった。

リビングに入ってもなにもいなかった。





ここの店とは約2ヶ月で転勤となりその住まいとも離れることとなるのだが
その2ヶ月のあいだ、起きているタイミングでGと遭遇することはなかった。





翌年の夏、
虫を倒すことに対して基本的に躊躇いのない自分は
はじめて見たアシダカグモを叩き潰したりもするのだが

それは別の機会にお話しします。